Graduate Admission

台湾の大学院に出願する

台湾の大学院入試は、日本の院試とは前提が異なります。筆記試験はほぼなく、志望動機書(SOP)と推薦状を軸にした書類審査で決まります。何を、いつまでに、どの水準で用意するのかを整理します。

日本の院試との違い

筆記試験は通常ない
国際出願者は筆記試験を免除されるのが通常です。選考は書類と、実施される場合はオンライン面接(15〜30 分程度、英語)で構成されます。
共通願書がなく、大学ごとに出願する
各大学の国際学生用ポータルから個別に出願します。1 大学で同時に出願できるプログラム数には上限があり、NTU は 5 つ、NCKU・NYCU は 3 つです。
受入教授との適合が重い
研究テーマと受入教授の専門が合っているかが評価されます。NTHU の電機工程は SOP に指導希望教授名を書くことを必須としており、半導体研究学院は事前の教授コンタクトを推奨しています。
学費は台湾人学生と同額
外国人留学生だからといって割増になる仕組みではありません。学費の実額は費用のページにまとめています。

必要書類

大学により細部は異なりますが、共通して求められるのは次のものです。

学位証明書・成績証明書
NTHU・NCKU は在外公館による認証または公証を求めます。中国語または英語の訳文が必要です。
志望動機書(SOP)または Study Plan
NTHU の電機工程は 1 ページ以上 3 ページ以内と明記しています。NCKU は Study Plan に加えて Autobiography を求める学科があります。
推薦状
通常 2 通が標準です(NCKU は 2 通必須、NTU は最大 5 通まで受け付け、学科により必要数が異なります)。推薦者がオンラインで直接提出する方式が主流です。
語学証明
英語課程は TOEFL iBT・IELTS などのスコア。中国語講義の学科は TOCFL が必要になります。
財力証明
NTHU・NCKU は USD 4,000(約 NT$120,000)以上の残高証明を求めます。発行から 3 か月以内という条件が付きます。
出願料
NT$2,000/出願(NTU の再出願は NT$1,500、NCKU は NT$2,000 で 3 プログラムまで)。

英語の要求水準

同じ大学でも学院・学科によって要求水準が大きく違います。以下は公式の募集要項に記載されている下限値で、実際の合格者の水準はこれより高い場合があります。

主要大学・学科別の英語スコア要件(下限)
大学・学科TOEFL iBTIELTS
NTU 資訊工程・電機(CSIE / EE / EECS)80 程度6.5 程度
NTU 自然科学系(学科による)715.5
NTHU 一般(CEFR B2 相当)715.5
NTHU EECS・半導体研究学院806.5
NYCU 資訊学院(CS)705.0
NYCU EECS 国際学位プログラム735.5
NCKU 英語課程(CEFR B2 相当)725.5

英語圏の国籍を持つ場合や、英語で授与された学位を持つ場合は免除されることがあります。NTU は全学一律の最低ラインを公表していないため、上記は学科の実務上の水準です。必ず志望学科の最新要項をご確認ください。

SOP に必ず入れる 7 つの要素

台湾の大学院の SOP は、志望理由の作文ではなく、小さな研究提案として読まれます。分量は 800〜1,200 words・2 ページ以内が扱いやすい水準です。

1. 研究背景と志望分野
学部での具体的なプロジェクト・論文・卒業研究に紐づけて書きます。
2. 研究目的とテーマ
「AI を学びたい」のような広いテーマは通りません。狭く具体的に設定します。
3. 方法論
既存文献を引用し、1〜2 個のリサーチクエスチョンを立てます。
4. 期待される成果
修士 2 年で実際に到達できる範囲で書きます。
5. 指導希望教授名
NTHU の電機工程では必須。他の 3 校でも事実上必要です。「多くの教授に興味がある」という書き方は避けます。
6. なぜこの大学・学科か
「家から近い」「有名だから」ではなく、特定の研究室の研究内容と結びつけます。
7. キャリアプラン
アカデミアに進むのか、産業界に出るのかを明示します。

落とされる典型例

指導希望教授名がない
研究室との適合を判断できないため、書類段階で優先度が下がります。
使い回しの SOP
大学名だけ差し替えた文面は、審査側に伝わります。
GPA が低く、説明も補強もない
3.0/4.0 が一つの目安です。下回る場合は、研究経験や語学スコアなど別の材料で補強する必要があります。
推薦状と SOP の内容が食い違う
推薦者に自分の研究計画を共有しないまま依頼すると起こりがちです。

出願スケジュール

秋入学の出願は、前年の冬から春にかけて行われます。実際に 2026 年秋入学で公表されていた期間は、NTU が 2025 年 10 月 1 日〜11 月 13 日(1 次)と 2025 年 12 月 1 日〜2026 年 1 月 15 日(2 次)、NTHU が 2025 年 12 月 15 日〜2026 年 2 月 25 日、NYCU と NCKU が 2025 年 12 月 20 日〜2026 年 3 月 15 日でした。

結果発表は 5 月中旬、開講は 9 月初旬が標準的な流れです。奨学金(台湾政府系は例年 2 月〜3 月申請)と重なるため、出願と奨学金応募は同時並行で進めることになります。

締切は毎年変わります。上記は年度を特定した実績であり、現在の締切ではありません。必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。

出典

※ 本ページの数値・要件は 2026 年に各公式サイトで確認した内容です。募集要項は毎年更新されるため、出願前には必ず志望校の最新の公式募集要項をご確認ください。

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