1. 台湾政府の奨学金
最も金額が大きく、日本人が主軸に据えやすいのが台湾政府系です。ただし政府系どうしは併給できません。
| 制度 | 月額 | 学費 | 期間 | 申請時期 |
|---|---|---|---|---|
| 教育部臺灣獎學金(MOE) | NT$20,000 | 1 学期 NT$40,000 まで実費補填 | 修士は最大 2 年 | 例年 2 月〜3 月 |
| 外交部臺灣獎學金(MOFA) | NT$33,000 | 別途規定 | 修士は最大 2 年 | 例年 2 月〜3 月 |
| 教育部華語文獎學金(HES) | NT$28,000 | — | 2〜12 か月 | 例年 2 月〜3 月 |
| ICDF 高等教育奨学金 | — | — | — | 対象国が限定され、日本国籍は対象外 |
MOE は日本の場合、台北駐日経済文化代表処を通じて申請します。HES は語学研修専用で、学位課程と並行しては使えません。MOE・MOFA・ICDF・大学の全額給付型は相互に併給できません。
2. 大学独自の奨学金
各大学が国際学生向けに用意している制度です。多くは正規出願と同時に自動審査されるため、別途の応募書類が不要なものもあります。
| 大学 | 制度 | 内容 |
|---|---|---|
| NTU | International Outstanding Graduate Scholarship | 月 NT$8,000(人文社会系)+ 学費 1 学期 NT$100,000 まで |
| NTU | Centennial Fellowship | 年額 NT$300,000 規模(9 月・2 月に NT$75,000、他月 NT$15,000) |
| NTHU | International Student Scholarship(修士) | 月 NT$5,000 + 学費・単位料の免除。正規出願時の評点で自動判定 |
| NYCU | International Student Scholarship(修士) | 学院・指導教員のマッチング方式。理工系で月 NT$10,000〜20,000 が典型 |
| NCKU | Distinguished International Student Scholarship L1 | 月 NT$10,000 + 基本学費の免除 |
政府系の全額給付を受ける場合、大学の全額給付型とは併給できないのが一般的です。一方で、指導教員の RA・TA 手当(月 NT$6,000〜15,000 程度)は政府系と並行して受けられるケースがあります。条件は年度・学科により変わります。
3. 日本側の奨学金
日本の団体が海外留学者向けに出している制度です。台湾を対象に含むものと、欧米限定のものがあるため、対象国の確認が最初の関門になります。
| 制度 | 金額 | 対象・注意点 |
|---|---|---|
| ロータリー米山記念奨学会 台湾向け | 月 NT$25,000 + 航空券 NT$50,000 まで | 日本国籍・35 歳未満・修士/博士の正規生。給付は 12 か月単位 |
| 日本台湾交流協会 奨学金(長期) | 年度別の募集要項で公表 | 修士・博士向け。金額・枠は年度ごとに要確認 |
| JASSO 海外留学支援制度(大学院学位取得型) | 月 17.7 万円〜(国・地域別) | 日本国籍または永住者。修士は最大 2 年 |
| トビタテ!留学 JAPAN | アジアは月 12 万円(家計基準内)+ 準備金 27 万円 | 他の給付型奨学金との重複受給は原則不可 |
| 平和中島財団 日本人留学生奨学生 | 月 30 万円 + 往復航空券 | 留学先国の制限なし。募集枠は例年 10 名程度と狭い |
| 伊藤国際教育交流財団 | 月 USD 1,500〜2,000 相当 + 学費実費 | 修士は最大 2 年。応募の多くは米国大学院向け |
台湾政府系と日本側の制度の併給は、明文で禁止されていない場合でも、双方の事務局への事前申告・書面確認が必要です。船井情報科学振興財団のように、対象国に台湾が含まれない制度もあります。
組み合わせの考え方
単独で全額をまかなえる制度は多くありません。実務上は「主軸 1 つ+補助」で組み立てます。
- MOE を主軸にする
- 月 NT$20,000 × 24 か月=NT$480,000 に、学費補填 NT$40,000 × 4 学期=NT$160,000 を足すと NT$640,000。ここに指導教員の RA を重ねられれば、2 年間の費用試算(約 NT$700,000〜760,000)の大半を覆う設計になります。
- 日本側を主軸にする
- 米山・JASSO・平和中島財団などを主軸にし、大学の学費免除や RA を組み合わせる形です。台湾政府系を使わないぶん、併給制限の縛りが緩くなります。
- 単独主軸で完結させる
- トビタテのように他の給付型と重複できない制度は、単独で成立するかを先に確認します。
申請時期は出願と並走する
台湾政府系は例年 2 月〜3 月、米山は 6 月末締切、平和中島財団は 9 月〜10 月というように、締切は制度ごとにばらばらです。大学院の出願(例年 12 月〜3 月)と重なる時期に動くため、出願準備と奨学金応募のスケジュールを同じカレンダーで管理する必要があります。
また、奨学金の採否は個人の状況・実績・その年の競争状況によって決まります。受給を確約できるものではありません。
